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あらびきZONE

カメラとMacと競馬を愛する大学生の不定期雑ブログ

海街diaryを観た

映画

映画,海街diaryを観た.
公開時期が某アイドルアニメと被って「興行収入ガー,邦画オワッター」とか一部で囁かれていた(?)作品だが,非常に良かった.

あらすじ

 

鎌倉で暮らす三姉妹の元に、幼い頃に離婚して家を出て行った父の訃報が届いた。次女・佳乃は15年以上会っていない父の死を特に何とも思えず、三女・千佳も父との思い出が殆どなくて佳乃と同じ気持ちだった。それでも妹2人と違って記憶が確かな幸は父を許せず、夜勤を口実に欠席するつもりだった長女・幸の頼みで葬式に出るために山形へ赴いた佳乃と千佳は、そこで年齢の割にしっかりしている中学1年生の異母妹・浅野すずと初めて出会う。
                               Wikipediaより

原作漫画のWikipediaの項から持ってきたあらすじの一部.
三姉妹にとって父親の存在は遠い昔に家族を捨てた好ましくない人であるのだけど,そんな父親を憎んでいたり死んで清々するとかいった嫌悪感を抱いていたようでもなかった.対して父親の残した末妹のすずはかなりのお父さんっ子だったよう.父親は三姉妹の母と別れた後結婚した女性との間の子で,その女性が病気で亡くなってから父親が再々婚したため,三姉妹と出会った時には義母のもとにいたわけだ.

長女の幸は看護師で既に他界した母親代わりのような存在.次女の佳乃は銀行勤めだが,ダメな男に貢いでしまう癖があり振られると酒に逃げる.三女の千佳は明るくムードメーカー的存在で子供っぽく,昔からかなりそそっかしい.

 

三姉妹の関係性がすごく良かった.みんなの面倒みようとする幸に嫌味を言って突っかかる佳乃,二人の喧嘩を仲裁しようとおちゃらける千佳.頼りきっていたら暴走してしまいそうになるのを自然に3人が支えあっている.

じゃあそこに4人目のすずが入ってきてどうなったかと.一番影響を受けたのは幸ではないだろうか.ネタバレになるが,幸は同じ病院に勤めている所帯持ちの医師と不倫関係になっている.そんで相手の男から今の妻を捨てるから一緒に海外留学へついてきてほしいとか言われる.この状態はまさにすずの母親であり自分たちの父親を奪っていった女と同じ立ち位置.姉妹の中で一番真面目な幸が実は一番危険なことしてた.そんな中三姉妹の父を奪った母のことで後ろめたさを感じるすずに「奥さんのいる人を好きになるなんて最低だよね」と謝られる.

自分の置かれている状況と父親がいなくなってから仲が悪くなった母親との関係を省みて,複雑な気持ちになる幸.男を奪われるなんてことをされて一番辛かった人を見てきたはずなのに今自分が同じことをやろうとしていることに後悔しているとともに,そんな状況下できつくあたってしまった母親に対する申し訳なさも出てきたのだろう.三姉妹の母親代わりだった祖母に対しては感謝の気持ちを抱いていることが伝わってくる場面があるが,数年ぶりに再会した母親とは喧嘩ばかりだった.

幸は祖母の一周忌の後日(先述のすずに謝られた次の日)母親と一緒に祖母の墓参りに行くが,その帰りに祖母の漬けた最後の梅酒をお土産として渡す.謝罪の意を込めたのだろう.

「誰のせいでもない」

その時々でどうにもならないことが起きた結果なのだろう.その行動を責められるものでもなく,誰が悪いわけでもないことが続いてしまった未来にわだかまりが残ってしまっただけだ.

佳乃はダメ男と別れてから仕事に精を出し,その中で姉の仕事に通ずるどうにもならない終わりに向かっていく人を支えることにやりがいを感じるようになる.千佳は交際している昔の夢を諦めた男性を優しく支えていこうと寄り添う.すずは新たな土地で出会った人たちのおかげで今まで感じていた両親の存在への引け目を払拭し,自分の居場所を見つける.

これは家族が,町の住民が,姉妹が支え合い,家族になっていく物語だ.